名前も知らないロシア人にもう一度会うために夜中の高尾山に僕は登り続ける

 

更新頻度を増やすために懐古厨になります

f:id:dobunezumidesu:20190416171454j:image

”過去に執着せず、未来を恐れず、今を生きろ”をモットーにしておきながら、過去のことを語ることはなんだか少し嫌ですが、そこまでドラスティックな日々を送っているわけでもなく、毎日がエブリデイというわけにもいかないのです

 

中文物語が始まった日について思い出していこうと思います

 

そもそも”中文”っていうのはなんなのかということを共有しておきます

共有を強要します

 

僕は早稲田大学文学部の学生です

 

文学部は二年次から18個のコースに分かれます

 

f:id:dobunezumidesu:20181030172145j:image

f:id:dobunezumidesu:20181030172128j:image

このように本当に様々なコースがあります

 

“中文”というのは数ある中の1つのコース、そう中国語中国文学コースの略称なのです

 

そう、僕にとって最初は中文はただのコースに過ぎなかったのです

 

それも中文というのは言わば文学学術院のスラム街で、成績が低くても入れるところで、まあ落ちこぼれが多少なり来ることも間違いないです

 

僕は文化構想学部にも受かっていたので、どちらにいくか迷いました

 

文学部のコースと、文化構想学部の論系を調べていた時に、僕は中文と出会ったのです

 

母親が大連出身の中国人であるにもかかわらず、中国語を話せないのはかなりつらいものがあったので、大学で中国語を身につけようと思ったわけです

 

だから僕は中文には第一希望で入りました

 

中文は一学年15人ほどなのですが、毎年第一希望は半分ほどです

 

少人数なので、それなりには仲良くなるだろうけど、所詮コースはコースです

 

授業で喋って、あとはサークル活動に勤しむと最初は思っていました

 

5月10日の木曜日はじめて一緒に飲もうということになり、大学生大好きブラックニッカを買って歌広に

 

その日の僕はなぜか、めちゃくちゃ飲みまくり、30分で潰れました

 

初めて飲んだその日に僕達(はいぐ〜とずおたん)は全裸になってブルーハーツを歌っていました

 

 

ブルーハーツを全裸で叫びまくったことで、僕達は共鳴したのだと思います

 

その日以来僕達は朝昼夜関係なく、ひたすら酒を飲み、李白を目指そうと言ってろくに授業も出ずにとにかくお酒を飲みました

 

今でこそ、お酒は飲まなくなったけれど、実際お酒のおかげで仲良くなれた節はあるので、お酒を一概に悪だとは言いきれません正直

 

昼休みにサイゼリヤでマグナムを飲んで、そのあと戸山公園でストロングゼロを飲むことによって僕達は確実に中を深めていきました

 

自分たちのことを社会不適合者、それを略してしゃふてきと自称する痛い集団でありました

 

そんな日々が2ヶ月ほど続き、それがすごい楽しくて、サークルにだんだんと行かなくなりました

 

こいつらとならワクワクすることができる、そう確信した僕は高尾山にナイトハイクすることを提案しました

 

7月16日、海の日です

海の日になぜかナイトハイクをすることになりました。

ナイトはいぐ〜

ずおたんはこの日予定が合わず、はいぐ〜と2人で行くことになりました

 

f:id:dobunezumidesu:20181030182546j:image

海の日ということで古着屋でアロハシャツを購入したはいぐ〜

 

すね毛が汚いはいぐ〜

 

このファッションのポイントはすねげだと言い張るはいぐ〜

 

f:id:dobunezumidesu:20181030182659p:image

どう見ても性犯罪者予備軍

 

 

そして夜の高尾山口に、人は全くおりません
ヘッドライトを頼りに夜の一号路へ

 

この時僕達はワクワクが止まらなくなって、そして汗が止まらなくなって、上裸になりました

 

上裸で高尾山を駆け抜けました

これから何かが変わるような、そんな実感がありました

中文っていうのはただのコースなんかじゃ終われない

口癖“中文を変えたい”が生まれた日となりました

 

ただの中国語を学ぶだけのコースではない

ワクワクすること、難しいことをみんなで挑戦していける共同体にしたい

家族を超えてファミリーを目指したい

中文に無限の可能性を見出したい

 

 

 

f:id:dobunezumidesu:20181030182832j:imageよわそう

 

 

高尾山1号路には長い階段があるんですが、そこを僕達は全速力で走り抜け、この走りが中文のスタートとなったのです

 

なんとなく楽しいだけの大学生活に再见

絶対的なワクワクライフに你好

 

山頂には誰もいないと思っていましたが、意外といる

 

4.5人くらいいる

 

その中にいかにも怪しそうな外国人男性が1人

 

その白人男性はパンイチで山頂を徘徊していて、一体あいつはなんなんだ

 

f:id:dobunezumidesu:20181030182843j:image

できれば彼には近付きたくないと思いながら、とりあえず飲むことに

 

まもなく

その外人がこちらにのそのそとやってくるではないですか

 

そして一言

「やあ、ごきげんよう」

 

なんだ、こいつ

怪しすぎる

 

そのいかつい風貌で、ごきげんようだと?

 

すると彼は

「怪しいものではありません」

 

いや、ますます怪しい

なんなんだこの人は

 

すると彼は自分のお酒とツマミを大量に持ってきて、一緒に飲みましょうと言ってきた

 

断ると殺されそうなので、とりあえず一緒に飲むことに

f:id:dobunezumidesu:20181030182829j:image

 

彼はすごく独特なイントネーションの日本語で、様々な話をしはじめた

 

ティンダーで日本人を食いまくってるだとか

女の子にモテるためにオナ禁してるだとか

最初はそんな話だった

 

しかし、だんだんと彼は都市伝説について語り始めた

 

日本政府の陰謀

ユダヤ人について

 

なんなんだこの胡散臭いロシア人は

 

1000円札の野口英世の顔は半分ずつで違うんだ、と自慢げに話してくる

 

ロシア版関暁夫だ

 

ほとんどの話は馬耳東風で、だんだん眠くなってきた

 

そろそろ寝ようとなり、朝一緒に下山しようということになった

 

すると彼は僕達の持ってきたブラックニッカが欲しいと言い出した

「友情の証にそのウイスキーをください」

 

まあ僕らももう飲む気はなかったので、快く渡した

 

翌朝

僕らが起きた頃には既に彼の姿はなかった

 

そして、彼に渡したウイスキーの小瓶だけがテーブルの上にそのまま置かれていたのだ

 

そのウイスキーはほぼ飲まれることなく、そのまま置かれていた

 

果たして本当に彼は存在していたのだろうか

 

僕は幻想を見ていたような恐怖に襲われた

 

 

しかし、彼の姿はしっかりとカメラロールに残っていたし、それは疑いようのない現実だった

 

 

そういえば名前を聞いていない

そして連絡先も聞いていない

 

朝一緒に下山できるものだと思っていたから連絡先の交換は後回しにしていた

 

 

彼いわく、高尾山にはすでに100回以上登っているらしく、それも全て夜だという

 

高尾山を第2の家とさえ彼は呼んでいた

 

夜高尾山に登り続ければ、もう一度彼に会えるんじゃないか、名前を聞けるんじゃないか

 

そんな気持ちからすでにあれから六回高尾山のナイトハイクをした

 

しかし、まだ彼とは会えていない

 

寒くなってきたので、もう今年は登らないのだろうか

 

あの不思議な夜を僕はどうしても忘れることが出来ない

 

中文の物語が始まった日に、出会ったあのロシア人

 

彼にもう一度会うためだけに、僕は今日も夜の高尾山を駆け抜け続ける

 

ピース。