去年鳥取のゲストハウスで出会った三つ上の中国人のお姉さんの話

ゲストハウス系ブロガー、しゃおじょんです。

台風が来てたからか何なのかちょっと憂鬱気味で文章を書く気になれませんでしたここ最近。なえちんの人生を送っていました。

#人生にボッキしてるか

さて書きたいことはもう本当に一ヶ月オナ禁した後の精子のようにあるのですが、今日は去年の夏に僕が出会った中国人のお姉さんの話を書こうと思います。

去年の夏のこと

僕は強くなりたくて、旅に出た。自分探しの旅的な感じだ。

まず中文の先輩と一緒に富士山に登った。

富士山に一番下から登ってみた話

僕はそのあと西へ西へと向かった。

名古屋、滋賀の伊吹山、姫路、そのあと僕は鳥取に向かった。

なんとなく鳥取砂丘に行って見たかったのだ。

鳥取砂丘を見たあと、僕は米子に向かった。米子のゲストハウスを二泊取っていたのだ。

基本的に僕は一人旅の間ゲストハウスに泊まっていた。

安く済むし、いろんな旅人と一緒にお酒を飲むのが楽しかったのだ。

昼一人でいろんなところを歩いたあと、夕方になると僕はさみしくなった。

フジファブリックなんて聞いた時にはもう訳がわからないくらい悲しくなった。

ゲストハウスは僕の寂しさを紛らわした。

夕方、米子のゲストハウスに着くと韓国人が二人でビールを飲んでいた。一人は爽やかな黒髪の好青年、もう一人は兵役中の坊主がよく似合う青年だった。

そのゲストハウスの管理人は早稲田大学出身の人で僕はすぐに打ち解けることができた。彼は第二文学部出身で毎日栄通りで酒を飲んでいたらしい。

僕も一緒になってお酒を飲んでいると、なんだか怪しい日本人のおっさんがやって来てとても1日では飲みきれないだろうお酒とこれまた大量のポテトチップスを持って来た。

僕はだいぶ酔っ払って適当な英語を使って韓国人と話をしていた。

怪しい見た目をしたおじさんが「よぉ若いの、通訳してや」と言われ、僕は英語が得意じゃないのにたくさん英語を話すことになった。僕が答えられない時は、管理人が代わりに答えた。どこのゲストハウスもスタッフは英語が上手だ。

22時を過ぎると管理人が「お前ら、俺のラーメン食いたいか?」と聞いて来た。

食べたくない訳がなかった。鶏肉を入れただけのさっぱりなラーメンだったが、とてつもなく美味しく感じた。

そのラーメンを食べ終わった頃、一人の女性がやって来た。

彼女はパイナップルの帽子をかぶっていて、金髪で、そして肌が夏とは思えないほど白かった。

彼女は中国人で今はカメラの専門の学校に通っているそうだ。

鳥取砂丘と大山を撮影するために鳥取に来たらしい。

彼女は日本に来て一年というが、日本語はとても流暢で、そしてお酒が強かった。

25時を過ぎると僕と彼女以外の人はみんなその場で寝てしまった。

彼女は「タバコ持ってる?」と僕に聞いて来た。

僕は一人旅の間ずっとラッキーストライクを吸っていた。

それでいいかと聞くかと彼女は「なんでもいいよ」と答えた。

ゲストハウスをでて僕たちは公園が見つかるまで歩いた。10分ほど歩いたところに小さな公園があり、僕たちはそこでタバコを吸った。

どうして僕が旅をしているのかを話していると、急に彼女は僕にキスをして来た。

そして僕たちは小さな公園で抱き合って、またタバコを吸った。

1時間くらい話をした後で僕たちは部屋に戻った。

そのゲストハウスは二階の大部屋でみんなで雑魚寝するのだが、翌日起きると、僕の布団と大ザックが嘔吐物まみれになっていた。

隣で寝ていたいかつい韓国人がどうやら寝ている間に吐いたらしい。

それにしても大ザックの上にまでついているというのは、一体どんな吐き方をしたのだろう。

管理人に事情をいうと、どうやら彼は弁償をしないといけないらしい。

 

相当彼は落ち込んでいた。

彼は僕に何回も謝って来たが、別に僕はどうだってよかった。

管理人が僕の宿泊代をタダにしてくれるというので僕はラッキーだと思ったくらいだ。

前日に彼と大山に登りに行こうと約束をしていたが、彼はそれどころではなかったので僕は一人でゲストハウスを出てまた夜になるまでぶらつくことにしした。

僕は特に目的地も決めずバスに乗って適当なところで降りて、古本屋で買った本を近くの喫茶店で読んだ。それに飽きると皆生温泉に行って、そのあとは海辺でずっと音楽を聴いた。

暗くなると僕はゲストハウスに戻った。

管理人に聞いてみると、どうやら今日は僕とあの中国人のお姉さんしか宿泊客がいないらしい。昨日のあの盛り上がりは今では懐かしい。僕は管理人にオススメのラーメン屋をきき、鳥取名物の牛骨ラーメンを食べた。

この大部屋に彼女と二人きりになる訳だ。僕はコンドームを買いに行って彼女が帰ってくるのを待った。

彼女が帰ってくると僕たちは一緒に銭湯に行った。

彼女のお風呂はきっと長いだろうからゆっくりと浸かることにした。坊主頭をこれでもかというほど洗い、体も気合をいれて念入りに洗った。

彼女の方が先に出てるんじゃないかというほど長風呂をしたが、結局僕は外に出てから15分以上も彼女が出てくるのを待った。

お風呂上がりに僕たちはビールを飲みながら、宿まで歩いた。彼女はその間ずっとタバコを吸いながら歩いていた。

「結構吸うんだね」

「うん、でも一ミリにしたんだよ。健康でしょ」

「吸わないのが一番健康だよ」

「いいのよ、私はあと10年くらいしたら死ぬつもりなんだもの」

「どうして?」

「そんなに長く生きたって仕方ないでしょう」

「そんなことないでしょ」

「そんなことあるのよ」

そう言い放つ彼女はなんだかすごく寂しそうだった。

「私はね、綺麗な状態で死にたいのよ。汚くなっていくのが嫌なの」

彼女は僕には想像できない何か大変のものを抱えているのだろうか。僕はそれ以上は何も聞かなかった。

 

家に戻ると管理人が僕たちに「スナックでも行かない?連れてってやるよ」

というのでついて行ったものの彼行きつけのスナックは開いてなかった。時間が遅いからだろうか。米子の夜は短い。

管理人が「鳥取ってほんとダメだよなあ、わりーな。コンビニ行って酒とツマミ買いに行こう。なんでも買っていいぞ」

というので僕たちは朝日ビールと鳥取の20世紀梨チューハイと梅酒とうずらの味付けたまごとチップスターを買った。

家に帰ると僕たちはお酒を飲みながらオセロをした。二回やってどっちも僕が勝った。彼女は大げさに悔しがって、もう一回やろうと言って来たが、彼女に勝利の気配が感じられないので僕は断って、一緒に音楽を聴こうといった。

彼女は驚くほど日本の音楽に精通していた。

彼女は椎名林檎とゆらゆら帝国と細野晴臣が好きだった。恋は桃色だった。

そのあと僕たちは岩井俊二の『ピクニック』という映画をみながらお酒を飲んだ。

管理人は先に寝てしまって、僕と彼女は上の大部屋に向かった。

「ねぇ、康介さん、私とエッチしたいんでしょ?」

「え、なんで?」

「みてたらわかる」

「まあしたいかしたくないかだったらもちろんしたいけど」

「じゃあ東京に帰ったら、私の家に遊びにおいで」

「わかった、楽しみにしてます」

彼女は僕の頬にキスをしてすぐに眠ってしまった。

僕は部屋を出てタバコを吸いに行った。自分のモヤモヤを消すにはタバコを吸うしかなかった。

その時の僕には彼女を起こす勇気はなかった。何もできなかった。僕はなかなか眠りにつけずずっと彼女の寝顔を眺めていた。気がつくと僕も眠ってしまっていた。

翌日起きるともう彼女はいなかった。

彼女はその日朝早くから砂丘に行ったらしく僕に写真を送って来た。

僕たちはお互い一人旅を続け、旅を終えた九月の終わりに僕たちは池袋の知音食堂で再会した。

その日の激しくて悲しい長い夜の話はまたいつか書こうと思う。

ピース。