久しぶりに親友とサイゼリヤでくそまずいワインを飲んだ。くそみたいな無駄な時間だった。

タイトルの通り、昨日サイゼリヤでワインを飲んだ。最近はお酒をほぼ飲まないようにしているが、親友が北京留学から一旦帰ってきたので、夕方から学生会館前のサイゼリヤで飲むことにした。
北京留学といっても彼は北京大学の授業は一回も受けずに、ただただ中国を放浪している。一体なんのために留学に行ったのかという感じで、それがあいつらしくてやっぱりあいつは最高の男なのだ。

彼と出会ったのは大学2年の4月だ。中国文学コースでたまたま出会った男との出会いが僕の人生を変えた。

彼とは大学2年の時、授業をさぼってよく戸山公園で飲んだ。サイゼリヤでクソまずいハウスワインを飲んで、そのあとにストロングゼロを一緒に馬鹿みたいに飲んだ。途中から上裸になって、小便をして、ブルーハーツを歌った。
道行く人は明らかに嫌そうな顔でこっちをみている。そんなのは気にせずにひたすら俺たちはブルーハーツを歌った。
そして俺たちはそのあとに全裸になるためにカラオケに行った。早稲田駅近くのカラオケバンバンだ。そこで、狂ったようにブルーハーツ、サンボマスター、たくさん歌った。全裸になって歌いまくった。臭かったけど、さんなのはどうだってよかった。俺たちはマイクそっちのけで声が枯れるまでブルーハーツを歌った。

30分もすると僕は歌い疲れ、酒に負けて、ぐったりと寝た。あれほど無駄な時間はなかったけど、俺は今になって思う。あの時間こそ一番俺の人生で幸せな時間で、あの無駄な時間こそ俺の人生を豊かにしていたのだと。

彼は去年の早稲田祭の時にわざわざ北京から(正確には上海?)戻ってきてくれた。それにも関わらず、僕は一回戦でステージからしもてに行くことになり、彼はそれをステージ近くの観客からみて笑った。

早稲田祭が終わると彼はまた中国に戻り、廈門、福州などの南の都市を放浪し、そのあとは香港にいき、そして高雄に行き、台北を旅した。彼は一人でとにかくたくさんの場所を旅していた。

そんな彼と昨日久しぶりに会って、たくさん白ワインを飲んだ。もう一人中国文学コースの後輩も一緒で彼は総合格闘技をやっていて、夜から練習があるため、お酒を飲むことはなかった。

彼と飲んで思い出した。何を思い出したかって、無駄な時間の尊さをだ。

僕は最近どうやら何かを成し遂げるために躍起になっていたらしい。
もちろん僕は何かを成し遂げたい、具体的には、エロで世界を救うだとか、ベーシックインカム制度を日本に実現させたいだとか他にもやりたいことはたくさんある。
そのために俺は徹底的に無駄を排除しようとしていたような気がする。何かを成し遂げるためには何かを犠牲にしなきゃいけないと思い込んでいた。

もちろん一点突破するためには、とにかく一つのことに全集中するべきなのだが、俺は果たしてそんな人生を送りたいのだろうか。
俺は友達とのくそみたいな無駄な時間を愛せなくなってまで、成し遂げたいことなど果たしてあるのだろうか。
そこまでして成し遂げなきゃいけないことなんて本当にあるのだろうか。

僕は彼と大学2年の春と同じように、馬鹿みたいにサイゼリヤのくそまずい酒を飲みながら気がついたら泣いていた。

トイレでゲロを吐いていた彼をみて僕はなんだか安心した。こいつはちっとも変わらない。北京大学の学位そっちのけで、とにかく自由に好きなように世界を歩き回っている彼をみて、俺はひどく羨ましく感じた。

彼は二月に中国に戻り、今度は西に西にと旅をするらしい。カタールで語りたいと相変わらず言っている。こいつはちっとも変わらない。俺もあいつとカタールで語りたい。すげえくだらない話をすげえ面白く語りたい。

俺は無駄を愛したい。無駄が人生をカラフルにしてくれるんだ。無駄を排除した人生に価値はないと俺は思う。無駄こそ人生を鮮やかにしてくれるのだ。大事なことを忘れちゃダメだ。

世界一周するために、またウリセンのバイトを始めた親友がそんな当たり前のことを思い出させてくれた。俺はどうしようもなく無駄なことを愛し続けたい。そして、無駄なことに付き合ってくれる人たちを愛し続けたい。

そんなことをグラグラの頭で吐きそうになりながら思った夜だった。